免疫ミルクとは
免疫ミルクは牛の初乳を原料とする、米国発祥の健康食品で、免疫ミルクは26種類の身近な病原菌(悪玉細菌)を無害化したワクチンから免疫抗体を作り、日和見感染に対して効果を発揮する。また免疫ミルクは、ガン細胞を直接殺傷するNK細胞の活性増加率は23%である。
近年、NK細胞活性化の研究が進み、NK細胞活性増加率437%を示したトランスファーファクターも免疫ミルクと同じ初乳を原料としており、免疫ミルクとトランスファーファクターとの違いが注目されている。
免疫ミルクとトランスファーファクターの歴史
約50年前、米国の科学者により、人間の白血球の中にある「トランスファー因子」という免疫情報を伝達する分子が発見され、この分子は免疫学上の画期的な発見と言われていました。その後、このトランスファー因子が、牛の初乳にもあることがわかり、その分子を抽出・濃縮し保存できる技術が開発され、商品化されたのが、ごく最近(5年前)のことでした。免疫ミルクも同じように米国で50年ほどの研究歴史を経て現在に至っています。
最近日本で、免疫学者、安保徹博士著「免疫革命」の本が発売され、「全ての病は免疫力が決めて」と解明されて大変な反響を呼び、日本の人々も免疫力に注目し始め、健康と病気に対する考え方が変わってきました。米国では2000年に入り既に免疫革命が始まり、トランスファーファクター(因子)製品が、健康産業界や医療関係者に注目され、米国を始め全世界に急速に広がっています。しかし、米国で生まれたアガリクスや免疫ミルクなどの免疫商品は、日本では製品改良され、それなりに人気のある商品でもあります。
免疫ミルク、潰瘍性大腸炎への有用性
新潟市で開催された第39回日本消化器免疫学会のシンポジウム「炎症性腸疾患の新しい治療戦略」で、慶応義塾大学消化器内科の長沼誠氏らが潰瘍性大腸炎の治療に免疫ミルクが有用であると発表した。
免疫ミルクとは、ヒトに感染する細菌を加熱して弱毒化したワクチンを妊娠中のウシに繰り返し接種して産生させた、細菌抗原に対する抗体を大量に含んだミルクを濃縮・低温殺菌し、乾燥・脱脂して粉末状にしたもの。長沼氏らは、このスターリミルク(免疫ミルク)を潰瘍性大腸炎患者に投与した。
血便を有する潰瘍性大腸炎9例(左側型5例、直腸型2例、全結腸型2例。軽症2例、中等症7例)の同意を得たうえで、免疫ミルク20gを1日1回投与。治療1ヵ月後の臨床症状を便の性状、血便、腹痛の3項目から検討した結果、すべての項目に著効を示した「著明改善」が1例、2項目改善が4例、1項目改善が2例、不変が2例であり、悪化した例はなかった。今回の9例に関しては副作用や有害事象は認められず、血液データからは腎機能・肝機能の異常も認められなかったという。
同氏は「潰瘍性大腸炎患者に対する免疫ミルクの安全性が確認され、一部で寛解導入と維持が可能だったが、現時点ではプラセボ効果の可能性も否定できない。比較対照試験などで再検討する必要がある」と慎重な見方をしている。
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